6月7日(土)より、「雨」を題材にした”香り”の企画展を行います。

目に見えないという特性上、なかなか難しい今回のテーマ。
お2人からこのお話をいただいてから約2年ほどが経ったでしょうか。
どんな表現をしようかと長く温め、打ち合わせを繰り返して形が見え始めた時、「きっと素敵な展示になる」と心を躍らせました。

五感でお愉しみいただけるような特別な演出を、空間いっぱいに施してみたいと思います。

今回の企画展では、沙里さん【蕊 SUI】と鈴木菜々さん【Linné / うぐいすと穀雨】が慈雨限定のフレグランス数種類をはじめ、様々な香りの商品をご用意してくれます。

打ち合わせ時、ひと足先にその香りを試しましたが「なんて素敵な香りなのだろう・・・これが香りの世界か」と深く感銘を受けたものです。

空間全体に彼女たちが手掛けた「雨」が漂います。
店内に足を踏み入れ、その香りが鼻に届いた時にはきっと心を奪われる事でしょう。

それに加えて、店舗裏の土中では事前にアンティークの壺に仕込んだポプリを眠らせていたのです。
このポプリも、フランスの薬局で使われてきた古い容器に詰めて販売する予定です。

そんな色とりどりな香りの中から、きっとお気に入りの一点が見つかるはず。
大切な人への贈り物にもぜひ。

主に週末となりますが、鈴木菜々さんは「うぐいすと穀雨」としても焼き菓子やハーブティーをたくさん並べてくれます。

お土産用の可愛らしい「雨粒のお菓子」も菜々さんが用意してくれるもの。
雨に想いを寄せた詩と共にお楽しみいただけたら。
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(会期を終えて)

ご来店の皆さまに綴っていただいた「詩の雨」。

始めは少なかったこの雨も、会期が終わる頃には壁中に広がっていた。

その一粒一粒が誰かの人生であり、それは正にこの空間を満たす「慈雨」と呼ぶに相応しい光景に。

沙里さんと菜々さんが連れてきた「雨」が、優しく場を包み、呼応して、多くの人の琴線に触れたからなのだと思う。

大きな重圧が付き纏う中、今回は構想や準備には悩みに悩んで苦しんだのも正直なところ。
しかし限られた準備時間でここまで作り込めた展示は久しぶりだったかと。

雨に想いを馳せ、
雨と共に生きていくこと。

また雨が降る度にこれらの日々の事を思い出してくれるのであれば、それはこの上ない喜びです。

会期の終わりが近付くにつれて熱量が上がっていく様子は、きっと良い展示だった事を物語っていたのだと思う。

あぁ、終わってしまったな。
やっぱり雨は良い。


「慈雨 -jiu- Scentscape exhibition-」

ある日の雨の情景から
時をほどき、記憶をひらく
香り、写真、味わい、詩、古物や本、
様々な呼応から体験を重ねてゆく
感覚の展示

会期 : 2025年6月7日(土)- 6月15日(日)
時間 : 11:00-18:00 ※最終日は16:00まで
会場 : MANSIKKA antiques
入場料:1,000円(小学生以下無料)・・・詩と雨粒のお菓子のお土産付き

【沙里 / 蕊 SUI】
抽出と調香
植物、鉱物、風土 ―――
香りの還る場をひらく
@sari___sari

【鈴木菜々 / Linné】
うぐいすと穀雨のオーナー
Linnéの名でセラピスト、アロマプロダクト制作を行う
@uguisu.to.kokuu / @___linne